米仮想通貨関連企業のCurvが、金融機関向けに秘密鍵を利用しない仮想通貨ウォレットを開発するため、650万ドル(約7億1,800万円)を調達した。

発表によれば、ベンチャー企業の立ち上げ直後の調達では、仮想通貨投資ファンドであるデジタルカレンシーグループとイスラエルのサイバーセキュリティ会社であるチーム8が主導し、これにマネックスグループら他ベンチャーキャピタル数社が参加した。

調達した資金は仮想通貨やブロックチェーンアプリケーションを安全に使用できる法人向けウォレットの開発に投入されると言う。Curvが注目されている点として、秘密鍵の概念をなくすと主張している点だ。

これは画期的であり、セキュリティが強いと言われても秘密鍵を盗まれることもしばしばあることから秘密鍵を保有しないという点ではハッキングリスクを大幅に削減する事ができる。

では秘密鍵をなくす手段はどうするのかと言えば、新たな暗号化の方法を採用するとし、Curvの仮想通貨ウォレットには独自のマルチパーティ計算プロトコルを採用しているという。

従来の暗号化との大きな違いは、これまでの方法では暗号化前の元データに一度戻す必要があるのに対し、Curvの技術はデータを常に暗号化したままの状態で処理する仕組みを採用している。

そのため、万が一データが流出したとしても暗号化されたままなため解析が難しく安全だと言える。今回はウォレットに対しての暗号技術を用いることとなったが、今後様々なシーンにこの暗号技術は使われていく可能性がある。

例えば個人情報が流出しても解析できないことでプライバシー保護を徹底するなど将来的に応用を効かせることもできるようになるだろう。今後、同技術がウォレット以外にどのような使われ方をしていくのか注目と言える。

参考:PR Newswire