グローバル市場でのブロックチェーンの採用を促進する非営利団体「Wall Street Blockchain Alliance(WSBA)」が5日、ブロックチェーン企業R3と提携し、Cordaブロックチェーンプラットフォーム上で革新的なアプリケーションとソリューションを開発していく方針を発表した。

R3のCEOであるDavid E. Rutter氏は、WSBAとR3が提携した理由として「金融機関などがブロックチェーンの機能を最大限に活用できるように、規制機関と協力するための戦略的アプローチを提唱するため」と説明した。

R3は2014年に設立されたエンタープライズブロックチェーンソフトウェア企業で、さまざまな業界の民間部門と公共部門の両方を対象としたオープンソースのブロックチェーンプラットフォームであるCordaを同年に開発し、現在ではすでに300社を超えるパートナーを擁している。

Cordaとは、ユーザーのプライバシーとセキュリティを確保しながら、機関がスマートコントラクトを使用して直接取引することを可能にするブロックチェーンプラットフォームである。

そして今年の1月16日には、R3はCorda Networkの立ち上げを発表した。その運営は、非営利団体であるCorda Network Foundationが担当している。同ネットワークはオープンソースのブロックチェーンネットワークであり、Cordaを使用する銀行やfintech企業などが接続している。日本でも、先月30日に金融会社大手のSBI HoldingsがR3との提携を発表している。

さらに、同じく1月末には世界的な銀行支払いネットワークのSWIFTが自社のプラットフォームからSWIFT Global Payments InnovationにCordaがリンクできるようにする、概念実証ゲートウェイの開発計画を明らかにした。

そしてそのSWIFTの競合として捉えられているリップルとも、R3は自社が提供するグローバル決済アプリ「Corda Settler」にXRPを採用することにより、協力体制を結んでいる。

世界各国の金融大手と提携し、業界の競合同士すらパートナーにしてしまうR3は、今後どのような影響を及ぼしていくのか。ブロックチェーン業界で現在“最も将来有望”という声も最近では聞かれるようになったR3、今後もその動向から目が離せない。

参考:WSBA(PDF)