仮想通貨NEMの普及を図る国際団体「NEM財団」は、厳しい予算削減とリストラに差し迫り、150人のスタッフを解雇する計画を進めていることが明らかになった。
新たに選出されたNEM財団の会長Alex Tinsman氏は30日、破産の危機から組織を救い出すために、NEMコミュニティ基金に1億6,000万トークン(約750万ドル相当)の資金要求を提出する予定であると仮想通貨メディアのCoindeskに語った。
仮想通貨市場のデータサイトであるCoinMarketCapによると、NEMトークンはXEMティッカーの下に90億の循環供給でリストされている。記事寄稿時点では、XEMは時価総額で世界で18番目に大きい暗号通貨となっている。
CoindeskのインタビューでTinsman氏は、「基本的に、前回のガバナンス評議会の管理ミスにより、運営に1か月かかることに気付いた」と述べ、その結果として財団の202人の会員は2月の資金要請に投票するよう求められ、解雇の数はコミュニティがどれだけの資金を承認したかによって決まると、Tinsman氏は述べた。
NEMのXEMトークンは、元財団長のLon Wong氏の指導の下、2015年に発売された。通貨は主にNEMブロックチェーンのトランザクションおよびサービス料に使用されている。今年の6月には、Catapultと呼ばれるプラットフォームのネイティブエンジンソフトウェアの発売が予定されている。
Catapult実装後のトランザクション処理能力は秒あたり3,000~4,000件になる見込みとされており、ビットコインの3件/秒、イーサリアムの15件/秒、XRPの1,500件/秒をも大きく上回っている。これだけの処理能力が実現すれば価格へもプラスの影響が及びそうだが、もともとは2018年中のリリースを予定していたが未だに実装できておらず、今回のリストラの一件も含めると暗雲が立ち込めていると言わざるを得ない。
Catapultの実装は起死回生の一手となるのか。今後の動向に注目したい。
参考:CoinDesk