米テキサス州の銀行局は2日、最近話題の多いステーブルコイン(ドルなど法定通貨にペッグされた仮想通貨)について、法律では仮想通貨ではなく一般的な通貨に相当すると見なし、発行するためにはライセンスの取得が必要との見解を示した。
今回公表された資料によれば、法定通貨に裏付けられているステーブルコインを通貨と交換できるものとして受け取れれば、送金と同様の行為にあたると示している。この見解はテキサス州だけの見解でなく、日本でもステーブルコインについては仮想通貨と見なされないとの見解を示している。
原則、日本では改正資金決済法が定める仮想通貨に該当していないとしており、一般論的にステーブルコインの発行者は前払式支払手段発行者として登録が必要との見解を示している。また、GMOインターネット株式会社が日本円に連動したステーブルコインGYENを発行するとの発表をしたことから、ステーブルコインについての議論も活発になってくるだろう。
米テキサス州では法律上、通貨に分類され発行者は交換業者としてのライセンスを取得をする必要がないとの見解を示しているため、ステーブルコイン専門に取り扱う業者も出てくる可能性がある。しかし、まだ見解を示している段階であるため、法の抜け穴を狙う悪質業者が現われないためにも慎重な議論が必要とも言えるだろう。
ステーブルコインに対して寛大な見解を続けるようであれば、法定通貨に対しては脅威になる可能性もあるので、為替相場に対しても多少の影響を与える事も考えられる。
調査会社Diarによれば11のステーブルコインのオンチェーン取引高は9月に比べて1,032%増加を示しており、その需要からか大手仮想通貨取引所ビットフィネックスが新たなステーブルコイン5種の取引を開始し、バイナンスにおいてもテザー(USDT)と複数のステーブルコイン市場を統合し、ステーブルコインマーケットに改称する事も発表している。
今後も仮想通貨のニュースにおいてステーブルコインの話題が増えてくると考えられるため各国での法整備、ルール作りが必ず必要になってくるだろう。