国によるデジタル通貨、いわゆる官製仮想通貨・CBDCの話題が世界中に飛び交っている中、今度は中央アジア地域の国々から話題が上ってきている。

ロシアでは財務省が米国による経済制裁の影響を避けるためにもEAEU(ユーラシア経済連合)によるデジタル通貨の発行をするべきだという見解を示しており、2020年と2021年までに独自の通貨を発行する機会があると見ている。米国による経済制裁はその国の経済状況を圧迫させ、ベネズエラだけでなくイランでさえも経済制裁による影響を回避しようと独自の官製通貨の発行を予定している。

特にベネズエラの状況は深刻で官製仮想通貨ペトロが発行されつつも、その裏付けとなっている原油があるのか疑わしいとして取引しないようアナリストたちがコメントしている。それにより内需は冷え込み、一部の小売店や慈善団体は仮想通貨での決済や支援をできるようにしてベネズエラ国民に救済の余地を与えている。

イランにおいてはまだ審議している途中だが、国民がビットコインの購入に進んでいる情報もあることから今後デジタル通貨の需要は盛んになると見込まれる。

また、中央アジアに属する元々ソビエト連邦に属していた国々も影響に恐れを感じ、そのためEAEUは独自の官製仮想通貨の流れに入ることで経済制裁による影響を極力抑えることに繋げようとしている。

EAEUは2014年に設立され、ロシアの他にベラルーシやカザフスタン、アルメニア、キルギスの5カ国で構成されており、米国による経済制裁に対抗するにはお互い難しい立場であることから、一国で発行するのではなく共同での官製仮想通貨の発行の方が力が強くなるだろうと見ているに違いない。

今後、経済制裁のリスクを抑えるために官製仮想通貨の発行は世界中で増えてくる可能性があるだろう。

参考:Rambler