フランスの議会の下院は、仮想通貨関連の税金を緩和する2019年財政法案の改正を拒否した。18日、フランスのビジネス月刊誌「Capital」が報じた。
国会で拒否された改正案は、2019年の政府財政法案の草案を引用した合計4件の提案であった。1つは、通常の取引と偶発的な取引を区別し、後者については緩やかな課税システムを提供するということであった。もう1つの提案は、30ユーロ(約350ドル)から3,000ユーロ(3,430ドル)、さらに5,000ユーロ(5,714ドル)までの免税対象取引の年間取引量を増やすことを提案したものであった。
国会はまた、仮想通貨に対する課税を導入する際に、現行の有価証券ガイドラインに従うという提案も拒否した。最後は所得税率を36.2%から30%に引き下げるという提案だったが、この改正案は総会で発表されたが、現在の状況は不明となっている。
フランスのブロックチェーン協会の連盟責任者、Alexandre Stachtchenko氏は、政府の動きが国の仮想通貨企業や投資家に法的確実性を提供していないと語った。さらに、現在の法律の下では、多くの人が仮想通貨による収入を報告したくないと考えているという。
2017年6月には、フランスのEmmanuel Macron大統領は、「フランスをスタートアップ国家にしたい。」、「仮想通貨分野でリーダーシップを取ってほしい。」と発表し、経済財務相のBruno le Maire氏もMacron大統領の意向に従い「ブロックチェーン革命の準備を整える。」と主張した。そして12月には、フランスの政治議員たちはこの計画に従うため、今後3年間でブロックチェーン展開に5億ユーロ(約5億6,900万ドル)を費やすことを提案した。
しかし、フランスの仮想通貨に対する姿勢は未だ曖昧であり、今回の法案改正の拒否然り最近では数千あるキオスクでビットコイン販売を行うという計画も国の中央銀行が拒否している。
国際的ブロックチェーン開発において先駆的立場を担うとしたフランスだが、中央銀行を含む当局は依然として慎重な姿勢をとっており、総じてあいまいな状況が続くことになってしまっている。Macron大統領の言う「スタートアップ国家」に近づけるためにも、フランス国内の仮想通貨関連の法律を整えていく必要がありそうだ。今後もフランス政府の動向から目が離せない。
参考:Capital