アラブ首長国連邦のアブダビに本社を置いているアル・ヒラル銀行が、ブロックチェーン技術を用いて世界初となるスクーク取引を終えたと発表した。
スクークとはイスラム法、シャーリアに準拠した債権のことを指し、通称イスラム債権とも呼ばれている。
アル・ヒラル銀行はDLT(分散台帳技術)を用いて5億ドルの5年物スクークの一部を流通市場で売却・清算したと報じ、今後は同技術を活用し自行のインフラに組み込むとして、画期的なデジタル化されたスクークへの道筋を整えるとしている。それによってスクーク市場に変革を起こそうとしていることからイスラム圏内においてもブロックチェーンは欠かせない存在へと成長していく。
アラ・ヒラル銀行以外にもスイスの新興企業であるX8 AGがイーサリアムベースのステーブルコインとして、シャリーア・レビュー・ビューロ(SRB)からイスラム金融の認可を取得している。
このようなイスラム圏の金融商品に対し、シャリーア準拠になっているかが普及に大いに貢献する形となっており、ビットコインについてはインドネシアのフィンテック企業が分析レポートを公開している。
経済制裁を受けているイラン国内において自国通貨に将来性を見いだせない国民がビットコイン購入に殺到したこともあり、今後イスラム圏内においてシャリーア準拠の仮想通貨が普及するのであれば、新たなマーケットが確立していくことにもなるだろう。
実際に今夏にはアラブ首長国連邦拠点のADABソリューションズ社が、世界初のイスラム法準拠の仮想通貨取引プラットフォームであるFICEの立ち上げを発表し、ムスリムへのサービス提供を目指すとしている。
仮想通貨やブロックチェーン技術は今後も様々な垣根を越えて定着し、私たちの身近になくてはならない存在へと成長し続けていくことだろう。
参考:Reuters