Bitcoinが発表されてから10年が過ぎた。当初は純粋な分散型台帳としてブロックチェーンが研究され、新世代の通貨としてBitcoinが開発されたが、ブロックチェーンに契約を記述することでアプリケーションも分散化させるスマートコントラクトやDAppsなどと呼ばれる機能を携えたブロックチェーンが新たに生まれてきた。

Ethereumなどを代表とするこれらの新たなブロックチェーンはBlockchain2.0などと呼ばれることあったが、今までの課題を解消するBlockchain3.0となるブロックチェーンが発表された。

最も普及したブロックチェーンであるBitcoinにとっての最大の課題はその処理能力にある。3~5TPS(トランザクション毎秒)とされており、全世界の買い物を一手に担うには余りにも無理のある数字だった。次世代であるEthereumでも15TPSと言われており、Bitcoinと比べれば改善はされているものの、普及しきったときに耐えられる数字ではない。

各ブロックチェーンとも浮き彫りになった課題を解決するべく開発は続けているが、この度さらなる次世代を名乗るブロックチェーン「COTI」は10,000TPSを処理可能にした。クレジットカードのVISAがピーク時に4,000TPS程とも言われており、相当数のシェアを抱えても十分な数値であると言える。

COTIは有向非巡回グラフ(DAG/Directed acyclic graph)に基づき構築されたブロックチェーンとなっている。DAGはブロックレスな構造となっており、トラストチェーンと呼ばれている。ブロックとマイナーがないためリアルタイムに低コストなトランザクションが実現可能だとCOTIのCEOであるShahaf Bar-Geffen氏は語る。

また、すでに8万を超えるユーザーと4,000の加盟店、1,500万ドル相当の価値があるプラットフォームが稼働する実際のビジネスであり、世界中で25万のPOSターミナルがすでに使用されているという。

COTIはTwitterやRipple、Coinbaseなどの初期投資家として知られるGreg Kidd氏や、Investec plcのCEOであるSteve Heilbron氏、BlackrockのCIOであるMatthew McBrady博士など経験豊富なチームにより運営されており、経営幹部にはJPモルガン、ゴールドマンサックス、HSBC、UBS、KPMG、IBMなどの出身者も迎えている。

これまでにアカウントの信頼をスコアリングするメカニズムや顧客情報のチェーン、COTI Pay、Trustchainアルファネットプロトコルなど様々な機能を導入済みだが、スマートコントラクトとPOSの統合など数ヶ月以内に多くの機能追加が予定されている。

参考:Forbes