英国がEU(欧州連合)を離脱する日まで半年を切り、世の関心は英ポンドがどうなるのか、英国経済がどの方向に進んでいくか、といった点に集まっている。そんな中、ブロックチェーン技術がEU離脱後の混乱を収めていく可能性について議論がなされた。
英国のフィリップ・ハモンド財務相は1日、アイルランド国境問題において解決策としてブロックチェーンが使えると発言している。
システムを安定させるには確かにブロックチェーンは有効だが、国境を超えた取引においては両国間において規制を作らなければならず、まだその辺りは明確化されていないのが現状である。
ハモンド氏の発言に対し、異を唱えたのが英紙フィナンシャル・タイムズだ。同紙は北アイルランドの紛争について、双方がEUに所属することを前提に落ち着いていたと指摘しており、離脱する英国にとってはEUとしての枠組みがなくなることから、ブロックチェーンではなく双方での話が重要だとしている。
英国と北アイルランドの間では紛争が絶えなかったこともあり、今後双方が歩み寄るには、新たな枠組みが必要になるかもしれない。今後どうなるか政治判断に関わることから、ブロックチェーン技術が解決すると言うのは軽率な見方ではないかと判断している。
新しい技術として注目されているブロックチェーンだが、人々の思いを円滑に進ませるには、どこでも双方の話し合いが必須と言えるだろう。