米国証券取引委員会(SEC)は、今年は仮想通貨の取引に焦点を当ててきたが、仮想通貨への投資を管理しているファンドにも焦点を当て始めているようだ。

というのも、SECは11日に、米カルフォルニア州に拠点を置くファンドマネージャーのCrypto Asset Management(CAM)と、その創設者であるTimothy Enneking氏に対し、停止命令と200万ドルの罰金を発した。

同ファンドは、「米国で最初に規制された暗号資産ファンド」と名乗るも、投資会社としては登録されていなかった。SECによると、同社は有価証券の保有および売買に関連して必要とされる登録を巡って、虚偽の宣伝を行い“故意に”証券取引法に違反したとして告発した。

CAMは、ウェブサイトやソーシャルメディア、報道のインタビューなどを通じて投資を募り、44の個人を中心とした投資家から計360万ドル(約4億円)を調達していた。昨年12月には、ファンドの運用資産は3,700万ドルに上っていたという。

SECは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は有価証券ではないとするも、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)については有価証券とし、証券法に該当すると主張しており、これまでもICO詐欺に踏み込んだり、個人投資家に対し注意喚起を繰り返し強調してきた。

しかし、デジタル資産を管理するファンドに対するSECの取締は今回のケースが初めてであり、仮想通貨の取引からさらにそれに投資するファンドへと取り締まりの範囲が拡張したことを意味すると言えるだろう。

CAMは、規制当局から連絡を受けた後、買付けを中止し、投資家に買い戻しを提案したという。Enneking氏は罰金と停止命令に合意はしているが、SECの調査結果については肯定も否定もしていない。

参考:CNBC