昨年12月、ゴールドマン・サックス・グループ(Goldman Sachs Group Inc.)がビットコインなどの暗号通貨市場に関する取引デスクを設置する予定であることをBloombergが報じた。
当初の話では、今年の6月には事業開始予定を目指しているとされており、同銀行の仮想通貨市場への関心は高まっていると考えられていた。
しかし、米国のビジネスや技術ニュースの専門ウェブサイトBusiness Insiderが9月5日に報じた内容によると、同社の仮想通貨取引デスクの設立は、とりあえず短期的にだが現時点では行われないことが明らかになった。
この報道の影響で、7,300ドル台で堅調に推移していたビットコイン価格は1,000ドル以上下落、多くのアルトコインも軒並み10%以上のマイナス(24時間比)と全面安となった。
Business Insiderによると、ゴールドマン・サックスは仮想通貨の規制環境が現在も不明瞭である点を懸念しており、取引デスクの案は一旦保留するかたちになったという。
取引デスク開設の検討を報じた金融機関は当時他にもあったことから、ゴールドマン・サックスも当然今年の開設へ向けて動いていると考えていた人も多いだろう。
しかし、同銀行のCEOであるLloyd C. Blankfein氏は当時、「結論は、是認もしていないし、否定もしていない。紙幣が金を押し退けた時にも人々は懐疑的であったことを知っている。」と語っていたことを鑑みれば、こういった結果も当然予測できたと言える。
また、開設予定とされていた6月の時点でも、米ニューヨークで開催された経済イベントでBlankfein氏は「ビットコインに投資はしない、自分には合わない」などと発言しており、当時本当にデスクは開設されるのか?など疑問を持つ声も囁かれており波紋を呼んでいた。
Business Insiderによると、取引デスクの開設は完全に中止されたというわけではなく当面は見送る方針で、今後もっと段階を踏んでいく必要があると判断されたという。
ただ、その段階の多くは銀行側ではなく、市場の動きなどの外部的な部分によるところが大きく、再び計画が持ち出されるには規制が整備されていく必要があるだろう。