イランが国家主導の仮想通貨の発行を前向きに進めていることが分かった。

イランの国家サイバースペースセンターが、国家主導の仮想通貨プロジェクトの原案がまとまったことを明らかにしたと、イランのニュースメディア、Financial Tribuneが25日に報じた。

イランについては、以前仮想通貨に対して否定的な見方をしていた時期もあったが、最近、米国から受けている経済制裁の影響を考慮してか、裏でプロジェクトを進めているという。

Financial Tribuneによれば、今回のプロジェクトはイランのロウハニ大統領の指示で立ちあげられたとしており、イランのサイバースペース最高会議の規定づくりの副責任者であるサイード・マディユーン氏が、地元メディアのIBENAに対し、国家の仮想通貨を導入するというアイディアを同国のサイバースペース担当機関が積極的に模索していると語っている。

マディユーン氏はさらに、当局が仮想通貨の不確定な部分をまもなく取り除くだろうと語り、イラン中央銀行が9月末に公式の立場を示す準備を整えているという。

現時点では、イランの銀行や金融機関で仮想通貨の使用は禁止されており、その理由としてマネーロンダリング(資金洗浄)の懸念が浮上したのを受けた措置としている。

しかし、マネーロンダリングの懸念が払拭されるよう、全ての取引が見えるようにトランザクション処理の管理ができるようになれば、イランだけでなく、近隣諸国にも安心感を与える事ができ、導入、発行に向けて前向きに考えるようになってくることだろう。

現在、経済危機が世界的に起きており、トルコに関してはビットコインなどの仮想通貨を購入する人が増えていると言うデータも出てきている。

経済危機はトルコだけに限らず、ベネズエラ、ブラジル、ロシアなどにもその傾向が見られているため国家主導の仮想通貨は今後、特別なことではなくなる可能性もある。

いずれにせよ、米国による経済制裁の回避先として国家主導の仮想通貨が流通し、他国からの影響力が減少すると認められれば、通貨に弱い国が採用に前向きに向き合うことになるだろう。

参考:Financial Tribune