2008年のノーベル経済学賞受賞者であるPaul Krugman(ポール・クルーグマン)教授は、ブロックチェーンカンファレンスのパネルディスカッションにて、「ビットコインは“金”より有用性が高い」と語った。
クルーグマン氏はこれまでビットコインに対し懐疑的な主張を展開していたことでも知られているが、考えを一転させたようだ。
14日ラスベガスで開催されたChainXchangedeのパネルディスカッションで発言し、THE DAILY HODLが19日、当日のクルーグマン氏の発言を紹介した。
クルーグマン氏はビットコインのマイニングによるエネルギー問題があることに触れつつ、金は死んでいる、ビットコインは金よりも有用性が高く、将来、ビットコインが価値あるものになる可能性があると発言した。
さらにビットコインのユーティリティを法定通貨、フィアットと比較すると、主要な問題はBTCを送金するためのトランザクションコストだとクルーグマン氏は指摘し、トランザクションフィーが削減されれば仮想通貨への懸念は払しょくされるだろうと、ビットコインに対して前向きな発言をしている。
クルーグマン氏は仮想通貨やビットコインに対し懐疑的な姿勢で知られており、2013年12月には「ビットコインは悪魔」というブログ記事を投稿した。
最近では7月31日のニューヨークタイムズに掲載したコラムにおいてビットコインの懐疑論を展開している。
ニューヨークタイムズのコラムの中では、もし投機筋がビットコインは価値がないと集団的に疑ってしまえば、ビットコインは無価値になるだろうと主張し、将来、ブラックマーケットでの利用や租税回避を目的として、ビットコインはほかの仮想通貨と違い、唯一生き残る可能性はあるとしつつも、現実的には失望がすべてを破壊してしまうだろうと持論をも展開している。
同じくノーベル経済学賞受賞者のオリバー・ハート教授が最近、ブロックチェーンに関連に関わる事業に参加していることもあり、今回のクルーグマン氏が肯定的な発言をしたことでも、世間のビットコインに対する見方は良い方向へと多少なりとも変わって来るだろう。