ワシントンを拠点とする自主規制機関である金融取引業規制機構(FINRA)は、投資保障や規制遵守の証拠として、SAFT(未来のトークンのための簡易契約、Simple Agreement for Future Tokensの略)の採用を勧誘してくるICOに注意するよう警告した。

今月16日に発表されたこの警告は、ICO投資家に対しSAFTは決して“規制当局の承認を保証するものではない”ということを強調するものである。以下は警告の一部分を抜粋したものである。

「SAFT契約はそれが“安全”である、または連邦法および州法に準拠していることを意味するわけではない。証券から非証券に変更できるトークンの能力について会社がいくら説明しても、SECまたは裁判所が会社の評価に同意するという保証はない。何が証券で何が証券でないかの判断は事実と状況の分析であり、肩書によって変わるものではない。」

SAFTとは、投資契約の一種でトークンを使用できる完全なプロダクトがローンチされた時点でユーティリティトークンを配布するというもの。証券に該当するかどうかを一旦留保しておき、不特定多数に対して資金調達を募るのではなく、機関投資家などの適格投資家にのみトークンを販売する。その後に証券に該当しないと分かって以降は広く公衆に対して資金調達を実施するというもの。

今回のFINRAの警告は、米証券取引委員会(SEC)のような連邦規制機関の最近の活動と一致しており、特にICOに関する仮想通貨業界の規制を強化するものである。

今年3月には、ブロックチェーンのスタートアップによる多数のICOが既存の規制に違反していたと、大手仮想通貨メディアのCCNによって報告されている。この際、SECはトークン販売の構造とICO前の販売に関する情報を80のスタートアップに召喚令状を送っているという。

規制当局の関心が高まる中で、進行中の調査は長くて1年は続くとも予想されている。すでに米国の投資家がICOに参加することを禁止するなどの自己防衛策を講じており、SECのICOに対する調査体制は強化されてきている。

参考:CCN