韓国南部に位置するリゾート地としても人気の高い済州(チェジュ)島の元喜龍(ウォン・ヒリョン)知事が、先週末に開かれた仮想通貨のカンファレンスで講演し、チェジュ島をスイスのツーク市やマルタ、シンガポールのようなブロックチェーンのハブにしたいと語った。

ウォン知事は仮想通貨業界の著名投資家であるロジャー・バー氏とも会談をし、チェジュ島の取り組みに協力を依頼したという。

ウォン知事は3日に開催されたフォビ・コリアが主催したカンファレンス、Huobi Carnivalに登壇した際「ブロックチェーン技術は、韓国がインターネットプラットフォーム分野で力を発揮する最初で最後の機会だ。」と指摘し、「スイスのツーク市やマルタ、シンガポールのようなブロックチェーンのハブになれる。」と語っている。

チェジュ島は韓国国内で高度な自治権を与えられた特別自治道で、ウォン知事は中央政府と協議し、チェジュ島での仮想通貨とブロックチェーンの企業活動を保証し、これらの活動によって得られたデータを分析し、合理的な規制と基準を作り、チェジュ島を仮想通貨・ブロックチェーンビジネスのルールメーカーにすると強調した。

ビットコインジーザス(ビットコインの神)とも称されるBCH啓蒙家のロジャー・バー氏も同カンファレンスに登壇し、その後、ウォン知事と会談をした。

会談では簡単に送金できる仮想通貨の能力を実証するため、バー氏が自分のスマートフォンを使いその場で知事や関係者に100ドル分のBCHを送金してみせた。

ウォン知事は「チェジュ島を新しいクリプトバレーにしたい。そのためのサポートをして欲しい。」と、バー氏に要請し、9月に改めてバー氏やフォビの関係者をチェジュ島に招待して議論したいと語り、これに対しバー氏は、「サポートすることは大好きだ。」と、要請に応じている。

チェジュ島が新しいクリプトバレーになれば、韓国での仮想通貨普及はもとより、近隣諸国の自治体にも大きな影響を及ぼすことになる。

いずれにしろウォン知事直々にバー氏に仮想通貨普及・発展のサポートを頼んでおり、バー氏としてはBCHをメインで推していきたいと考えていることは想像に難くない。チェジュ島で頻繁にBCHでの支払いが行われることになれば面白いだろう。

日本では政府主導でのこういった活動はほぼ皆無だが、隣国韓国では活発な動きを見せている。ぜひとも次の“クリプトバレー”として開発が進められることが期待される。

参考:YouTube(coincast)