韓国の通信事業最大手のKTが世界で初めてとなる、独自の商用ブロックチェーンネットワークを発表した。これによりユーザーや企業にとって最も信頼できるネットワークを目指す。KTブロックチェーンセンターでは3年以上に渡り開発を続けてきた。

既存のネットワークを、より安全かつ透明性の高いものとするべく、既に設置されている高速商用ネットワークにブロックチェーンのレイヤーを重ねる形で運用されるようだ。

秒間あたりのトランザクション数(TPS)も2,500と、パブリックなブロックチェーンであるBitcoinなどと比べてコンソーシアム型の強みを見せている。クレジットのVISAなどでも4,000~6,000と言われるなかで十分な性能を満たしているとも言えるが、2019年末までには100,000TPSを目指すとKTは語っている。

他にもユーザーがIDとパスワードを必要としないブロックチェーンネットワークにログインできる新技術も発表された。それぞれのブロックが追加のID確認の要求なしでユニークなIDとして提供され、ID/パスワードの盗難リスクを防ぐことが可能だという。

また、モバイルキャリアによるブロックチェーンの利用はデータローミングサービスにおいても活用できるとアナウンスされた。KTはNTTドコモを含み各国の通信事業者と提携してブロックチェーンを適用したデータローミングサービスを開始する準備を進めている。ローミング費用がリアルタイムに計算されることでデータ通信速度の低下の要因を排除できるようになる。

パソコン通信からインターネットに移行したように、ブロックチェーンは通信インフラも進化させるのだろうか。

参考:The Korean Herald