英国の中央銀行であるイングランド銀行は23日、4つのフィンテック企業との概念実証試行の結果、リアルタイムグロス決済(RTGS)のプラットフォームの再構築が、分散型台帳を実行するシステムと連携できることを確認したと公式ホームページで発表した。

中央銀行は、新しい市場進出に対応し、サイバー攻撃に対する反発性を強化するため、英国のCHAPS(電子送金機関)の高額決済システムの見直し方針を策定している。CHAPSは、銀行間で約5,000億ポンド(約73兆円)を日常的に決済する大規模な決済機関である。これは英国の毎年のGDPの1/4ほどにもなる金額だ。

同銀行はブロックチェーンベースのインフラストラクチャの作成はしていないが、市場での幅広い利用のためDLT(分散型台帳技術)の採用には積極的な姿勢を見せている。今年3月には、Baton Systems、Clearmatics Technologies Ltd、R3およびTokenと概念実証(POC)を行っていたことを発表した。その目的は、更新されたRTGSサービスが、革新的な支払いテクノロジーで動作するシステム(分散型台帳技術上に構築されたものなど)における決済を、どのようにサポートできるかを理解することだった。

総括的な結論として、イングランド銀行は以下のような結論を述べた。

「全ての参加者が、更新されたRTGSサービスによって提供される機能がシステムを接続して中央銀行の決済につなげることが出来ることを確認した。」

イングランド銀行は、昨年にはNTTデータやChainら4社の技術による概念実証を行っている。仮想通貨と近い企業では、XRP Ledgerの開発を行うRippleと提携し、Interledgerの実証実験も行うなどシステム改善に前向きだ。こういったシステムが同行で実用化されれば、DLTやブロックチェーン技術の発展にも寄与すると考えられ、今後の動向から目が離せない。

参考:Finextra