2015年にICOを利用したクラウドセールで550万ドル(約6.1億円)を調達したAugur(オーガー)は10日、ついにメインネットを立ち上げた。

Augurは、イーサリアムのスマートコントラクトを利用したプロジェクトで、ブロックチェーン技術を利用した完全にオープンソースかつ分散型の予測市場プラットフォームである。

仮想通貨で公平なギャンブルを実現させることを目的としてできたプロジェクトで、未来を予測し、それが的中するかどうかにお金を賭け、予測した結果が正しければお金を得ることができるというものだ。

創作者は、2015年に“Reputation(REP)”というトークンを500万ドル以上で販売を開始しており、翌年2016年にはベーター版を公式に開始している。現在は非営利団体のForecast Foundationが開発のサポートをしている。

トークン保有者の中には、ここまでの道のりは長かったと感じた人も少なくないだろう。しかし、50億円以上ものイーサリアムがハッカーによって盗まれたThe DAOの事件があってから、Augurはバグやセキュリティ的な問題を徹底的に見直すことにした。

サンフランシスコに拠点を置くセキュリティスタートアップのHackerOne社は、Augurプロジェクトのバグ探しの懸賞金を管理している。プラットフォーム上の重大な脆弱性を修正できた場合、最大200,000ドルの報酬が得られるというのだ。このように、Augurは積極的に、そして慎重にコードを精査してきた。

Forecast FoundationのオペレーションリーダーであるTom Kysar氏は、2月にCoinDeskに以下のように語っていた。

「これはおそらく、イーサリアム上に展開されるアプリケーションの中で最大に複雑なものになるだろう。Augurがメインネット上で開設されれば、我々を含め誰もAugurを支配することはできなくなる。」

Kysar氏が主張しているように、プラットフォームは当事者によって支配されるものではなく、政府はもちろん、Forecast Foundationでさえもコントロールできない。

公式サイトでは、選挙や販売製品の予測や、起こる頻度の少ない自然災害などに対しての使用を提案しているが、スポーツギャンブルが違法である管轄区域においては魅力的なサービスとなる可能性が高い。しかし、日本含め多くの国では「賭博罪」が適応されてしまうので、予測市場への参加は違法となってしまうという点が課題としてあげられる。

メインネットの開設により今後の期待感もあるが、日常の決済などへの使用目的では開発されておらず、「賭博罪」が適応されるため世界各国の予測市場に対する規制緩和が進む必要もあるため、大幅な値上がりをしていくのはまだまだ時間がかかると言えそうだ。

参考:CoinDesk