ブロックチェーンによってサポートされているRipple(リップル)の金融ソリューションは、様々なパターンのマーケティングが行われている。

数多くのコインが存在し、爆発的な動きを見せている仮想通貨業界。しかし、求められるのは他と異なることだけでなく、スマートであることも求められる。

そう語ったのはXpringのマネージングディレクターであるDaniel Aranda氏だ。英国のロンドンで行われたMJACサミットのCryptoCompareというイベントに登壇し、リップルが戦略的に市場を開拓してきたことを説明した。

Aranda氏が進めるXpringは、今年5月にリップル社が発表したプロジェクトで、デジタル資産XRPとXRPレジャーに関わる製品やサービスを開発する企業に、「投資、インキュベート、M&A、補助金等」の支援を行うプロジェクトである。

Aranda氏は、Internet of Value(価値のインターネット、以下IoVと呼ぶ)と、今日使われているインターネットの似て非なる点について説明した。今の時代のインターネットがデータのパッケージを転送するように、IoVは貨幣価値を転送すると述べた。貨幣価値の転送、すなわち“支払い”はインターネットの基礎を構築するために重要な役割を果たすと主張した。

「支払いに関して、我々は様々なユースケースを考えてきた。一番の問題は、国境を超えた支払いにあった。例えば英国の場合、リアルタイム決済サービスのFaster Paymentsや、イングランド銀行が提供するCHAPSやBACS、RTGSといった素晴らしい決済システムがある。EUには域内の決済を標準化するSEPAという共通決済スキームもある。しかし、グローバルな中央銀行が存在しないため、実際にはグローバルな統合支払いシステムというのは存在しないのだ。VisaやMasterCard、メッセージングサービスのSWIFTなどもあるが、いずれも模擬されたものだ。我々は、分散型で構築されたブロックチェーン技術こそ、これら異なるシステムを相互運用できる手助けになると考えたのだ。市場を見て、誰が最初の顧客になるか探し始めた。」

プロジェクトの展開と学習により、銀行がすでに持っている支払い構造こそ最初に取り組むべきであることが分かったとAranda氏は述べた。銀行が抱かえる支払い問題の解決に大きく貢献するとして、リップルの金融ソリューションは銀行側に歓迎された。実際、今年だけで75以上の銀行施設がプラットフォームを搭載している。

「現在、当社のソフトウェアソリューションは、世界中の約120の金融機関に販売されている。」

プロジェクトはシステム全体の改革を目指すものではなく、あくまで既存の問題に対してより良い解決策の提供を望んでいるとAranda氏は語った。権威ある銀行がリップルを取り入れれば、リップルの価値が高まり、XRPの価格上昇にも繋がってくる。今後もリップルと銀行の動向は注視すべきと言えるだろう。

参考:Ethereum World News