国際決済銀行(BIS)のゼネラルマネージャーであるAgustín Carstens氏は30日、スイスのバーゼルを拠点とする報道機関Basler Zeitungとのインタビューで、仮想通貨を「バブル、ポンジ・スキーム(出資金詐欺)、環境災害」と述べ、従来からの仮想通貨に対する批判的な姿勢を改めて示した。

若者たちに“お金について考えさせる”という意味では、仮想通貨はポジティブな影響を与えたのではないか?という考えについて、賛同できるかどうかを訊ねられたCarstens氏は、仮想通貨は通貨としての特徴を持っていないことをまず主張した。

「仮想通貨は、良い支払い手段でもなく、良い会計単位でもなく、価値保存としても適していない。それぞれにおいて過度に不足している。」

仮想通貨は通貨としてあるべき特徴が備わっていない点を指摘し、若者たちへ以下のようなメッセージを送った。

「若者は、才能と技能を“革新”のために使うべきである。“お金を新たに作る”ためにではない。そもそも無からお金が生まれるという考えは誤った考えだ。歴史を振り返ってみれば、金儲けのために無から金を作り出そうとする錬金術的な行為は、人々が常に執着してきたことであることが分かる。私から若者たちへメッセージを送るとすれば、“お金を作ろうとするのはやめろ!”である。」

世界の中央銀行の政策協調機関であるBISは本質的に保守性が強く、仮想通貨に対しては以前から厳しい見解を述べてきた。

Carstens氏は以前にもビットコインは「バブル・ポンジスキーム・環境破壊の組み合わせ」だと強く非難している。

また、BISは先月には「仮想通貨のネットワークは脆弱」と年次報告書で発表したが、投資会社BKCM LLCの創設者兼CEOであるBrian Kelly氏はこの考えは古いとして報告を批判するなど、警戒感を募ることに疑問を持つ者も増えてきている。依然として警戒姿勢を取るBIS、各国の中央銀行を束ねる国際的な機関として影響力も高いだけに今後の動向が注目される。

参考:BIS