ロシアの国立大学がブロックチェーン技術を使って大学の卒業記録を保管することを26日に発表した。

ロシア連邦政府付属金融財政大学の発表によれば、同大学は過去10年間に発行されたすべての卒業証書をブロックチェーンを使って記録したという。

この措置の狙いとして、潜在的な雇用者によるデジタル卒業証書が本物か偽造かのチェックを、2018年9月からは同大学のウェブサイト上ですべて閲覧可能にするとしている。

発表によれば、すべての卒業証書はSHA256アルゴリズムによって暗号化された、固有の識別番号を持つという。SHAは、ビットコインネットワークのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)アルゴリズムをベースとしている。

モスクワを拠点とする同大学はロシアで最も力のある大学ランキングで第5位にランクされており、ブロックチェーン技術で暗号化されたデジタル卒業証書を提供するロシア初の高等教育機関となっている。

すでに同様の取り組みは他国で実施されており、米国のマサチューセッツ工科大学、MITにおいて昨年10月、ブロックチェーンを使ったデジタル卒業証書を提供する世界初の大学となっている。

近年、虚偽の学歴を掲載することが問題となっており、学歴がどのくらい信用があるのかは担当者によって、そこまで確認することもないとして、後に明らかになることで関わる企業にとっては大きな損失をもたらすことになる。

ブロックチェーン技術により学歴がしっかり確認されれば、事前にそのような損失は免れることにもなる。それ以外にも、万が一証書が紛失した時に企業として大学側のサイトで閲覧できれば、紙ベースにこだわる必要もなくなる。

さらに海外においては事前に卒業証書を確認することもできれば、職務経歴においても同様に本人がどのような職務、プロジェクトに携わったのかを確認することもできる。今後、証書だけでなく、経歴においてもブロックチェーンは大きな役割を果たすことも考えられる。

参考:ロシア連邦政府付属金融財政大学