スペインの銀行が参加するNiuronコンソーシアムが、ブロックチェーンを活用した顧客のデジタル認証プラットフォームの開発を計画していることが分かった。18日、EUROPA PRESSが伝えた。
今年末までにブロックチェーン技術を活用したプラットフォームを作成する計画で、顧客が初めて口座を開設する際に、本人確認と顧客情報の記録を行うシステム開発を目指すと言う。
Niuronによれば、新たなブロックチェーン・プラットフォームによって、業務スピードの向上や詐欺の減少、マネーロンダリング(資金洗浄)の防止を実現できるとしている。顧客側のメリットとしては、登録手続きに要する時間が短縮され、顧客が自らの個人データをより細かく制御できることが挙げられる。
プラットフォームが完成すると、異なる銀行や金融機関の間で顧客データを共有できるようになり、デジタル認証が簡略化し、最近施行されたEU一般データ保護規則(GDPR)と最新セキュリティ基準に準拠するシステムになる。
Niuronコンソーシアムには Abanca、Bankia、Caixabank、Caixa Ontinyent、Ibercaja、Kutxabank、Liberbank、Unicaja Banco、Cecabankが参加する事となっている。
エコノミペディアの資産・資本データによれば、17年度の総資産はCaixabankが国内第3位、Abanca、Ibercaja、Kutxabankもトップ10に名を連ねている。
EU一般データ保護規則は今年の5月25日に施行され、これによって75,000人分の個人情報保護関連雇用が創出されると見られており、フォーチュン・グローバル500の企業はEU一般データ保護規則準拠のために80億ドルを支出するとの試算も出ている。
EU一般データ保護規則は、EU域内における統一的なデータ保護規則の策定と、個人が自ら個人情報の使用や保管をより細かく制御できる仕組み作りを目指しており、ブロックチェーン・プラットフォームが標準で使われるようであれば、今後あらゆる公共機関で使われていく事も考えられるだろう。
参考:EUROPA PRESS