昨年の仮想通貨の熱狂も落ち着きを取り戻し、“買うだけで儲かる”といった時代は過去のものとなりました。市場参加者は増加傾向にある一方で、コインチェックでのネム流出事件を引き金に仮想通貨をネガティブな存在だと考える人も増えています。

仮想通貨への投資に対して疑問視するならば仮想通貨を支えるテクノロジー、ブロックチェーン技術に対する知識を高める必要があるかもしれません。

多くの大手企業はすでにブロックチェーン技術に投資しており、その業界はブロックチェーンにより爆発的な成長を図っています。インテル、アマゾン、マイクロソフトなどのテクノロジー企業はブロックチェーンをホストするサーバー、マイクロチップ、テクノロジーを所有しています。

また、ダイムラー、IBM、マスターカードなどの企業は、資金調達の仕組みやサプライチェーンでブロックチェーン技術を使用しています。これら企業の採用によりブロックチェーンが次の10年または20年後の主役になる可能性があるという仮説を立てることができます。

今までの一般的な説明では、ブロックチェーンは、中央管理ではなく、ピアツーピアネットワーク上で分散され維持される一種のデジタルレジャーとされています。言い換えると、ブロックチェーンは、異なる目標を持つ可能性のある個人の間で「誰が所有しているか」を特定します。

ブロックチェーンは、信頼できる中央機関または管理者を必要とせずに、資産の転送を容易にし、不変のデータ記録をより迅速かつ信頼性高く、既存のメカニズムよりも透過性で検証することができます。これは、ブロックチェーンが「分散型」または「分散型台帳」と呼ばれている理由です。

企業はブロックチェーン技術をどのように使用しているのか?

ブロックチェーン技術はもともとビットコインのような暗号化アプリケーション用に開発されたものですが、これらはブロックチェーン技術の多くのアプリケーションの1つにすぎません。医療、製造、銀行、証券取引所、大量のデータを管理する他のビジネスや組織でも使用されています。

たとえば、ドイツの自動車メーカーであるDaimler(ダイムラー)は、昨年、ブロックチェーン技術を使って数百万ドル規模の企業向け融資商品を投入しました。IBMはブロックチェーンとその用途に全社を徐々に結びつけています。政府と規制当局は、主に分散型台帳技術の適用を待っています。規制当局は新たな規制をする前に、銀行や他の企業がどのような技術を使用するのか、どのように利用するかを見たいと考えています。

ブロックチェーン技術への投資

ブロックチェーン技術の開発と使用に投資するには、いくつかの方法があります。1つは、ブロックチェーン技術を中心としたビジネスに直接投資することです。当然のことながらブロックチェーン技術を活用したり、ブロックチェーン技術を研究、開発したりする国内外の企業のポートフォリオに投資することを好む人もいます。

いずれにしても、テクノロジーや企業への投資は、仮想通貨への投資とは異なり、揮発性のあるものではないことに注意することが重要です。また、投資を企業自身と結びつけることによって、ブロックチェーンを必要としない分野からも恩恵を得られる可能性があります。