FERFが会計コンサルティング企業のデロイトと共同で、ブロックチェーン技術がどのように財務に応用されているかについて調査すると、9日、アカウンティング・トゥディが伝えました。

その調査報告書は財務責任者のためのブロックチェーン機会対現状と題され、財務報告や人材配置、その他の責任者にとって重要な領域において、ブロックチェーンがどのように影響を与えるかについて分析をしています。

調査対象となった財務責任者の30%は、ブロックチェーン技術の可能性についてまだ十分にわかっていないとしながらも、1年半以内にはブロックチェーンにリソースを割り当てる計画があると回答しました。

ブロックチェーン技術と言うと最近ではリップルのソリューションを採用した国際送金の話題が金融機関で行われるようになったことで話題になりましたが、市場ではビットコインなどの価格変動(ボラティリティ)の話題も多く投機的な側面が目立つなど、取引におけるネガティブイメージが膨れ上がっています。そんな中でも財務分野におけるブロックチェーン活用へ意欲を削ぐかという問いについては、64%が意欲を削がれる事はないと答えています。

財務責任者はその辺り、仮想通貨とブロックチェーン技術について分別して考えている方が多いと言えるでしょう。

ブロックチェーン技術を採用するためには、人材配置やトレーニング戦略といった会計と監査の基本方針を修正したり、一変させたりする必要があると同報告書は予測している事から、財務責任者にとって内部管理の在り方について報告書から学ぶべきところも多かったと思われます。

デロイト社の監査イノベーション及び顧客サービス・デリバリー部門ナショナル・マネージング・パートナーを務めるジョン・ラファエル氏は、ブロックチェーンはいつの日か、会計及び報告業務における転換点と見なされるようになるかもしれないとし、さらにこの技術の可能性は広範囲に及ぶと読み取っています。

ブロックチェーン技術をリリースする事で企業側の組織としての在り方、さらに管理対象の見直しをすることで企業はスリム化やコスト削減に結びつく反面、人材に関しても大幅削減に進む可能性もあると見られます。

参考:accounting TODAY