マネックスグループのCEOである、松本大氏がコインチェックのNEM流出事件に関する訴訟費用やコインチェックの取り扱い仮想通貨など今後の見通しについてコメントをしました。14日、日経新聞により伝えられています。
コインチェックのネム(XEM)流出事件によるサービス停止によって損失を被ったとして、現在利用者側からなる複数の集団訴訟が起こされています。
これに関する訴訟費用が最大でも10~20億円を見積もっているとしており、この問題はコインチェックをマネックスが買収する時にリスクとして懸念する声がありましたが、松本氏によれば訴訟リスクは弁護士との話し合いをした上で、訴訟関連の負担は既存の株主が負担する事になるとした上で、マネックスへの影響は限定的として見ています。
また、今回ネムについて問題になったハッキングされた後に追跡を行なう際に鍵となるトランザクションIDについてですが、現在扱っている匿名性の高い通貨であるモネロ(XMR)やダッシュ(DASH)、ジーキャッシュ(ZEC)については追跡やどのように取引が行われたのか把握するには困難なこともあり、取り扱いを止める考えを示しました。
匿名通貨の取り扱い廃止について以前、マネックスとコインチェックによる合同記者会見で当時、和田晃一良氏はまだ決まった事実はないと述べていましたが、方向性が定まったと考えられます。
これは仮想通貨交換業として金融庁の業登録が遅れていることも影響していると見られています。また、匿名通貨は送金先を追跡できずに、マネーロンダリング(資金洗浄)に利用されると指摘されるため、コインチェックのイメージ回復を優先に今回の取りやめに向かったとも思われます。
コインチェックが匿名通貨を取りやめることで市場はそんなに混乱をきたすこともなく、海外では人気がある3通貨でありますので、国内で取り扱いがなくても、引き続き海外では取引が盛んに行われるでしょう。
参考:日本経済新聞