世界的に著名な投資家・投機家であるジョージ・ソロス氏が仮想通貨取引に関心を持っているとして話題になっています。6日、Bloombergによって伝えられています。
ソロス氏と言えば、「The Man Who Broke the Bank of England(イングランド銀行を潰した男)」の異名を持ち、ウォーレン・バフェット氏らとも肩を並べる億万長者として知られています。また、ソロス氏の投資会社であるソロス・ファンド・マネジメントは約260億ドル(約2兆7,560億円)相当の資産運用をしています。
ソロス・ファンド・マネジメントの投資家であるアダム・フィッシャー氏が仮想通貨取引の許可を得たとして、Bloombergは報じており、ソロス・ファンド・マネジメントの資本の一部を仮想通貨のために取っておいていたと見られています。これが事実であれば、巨額の資金が仮想通貨市場に流れてくることは想像に難くありません。
ソロス氏は以前ビットコインをバブルだと批判しており、またビットコインの大部分は脱税や独裁者が海外に蓄えを作るために使われているともコメントしていましたが、今では考えを改めているのかもしれません。また、最近ではソロス氏以外も仮想通貨に対する発言を撤回するケースが見られます。
特に印象的な話題としては昨年JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏が「ビットコインは詐欺だ。」と強烈に批判をしたことで相場全体が一時下がる形になりましたが、その後発言を撤回、「ビットコインについては話さない。」としながらブロックチェーン技術を認めるなど方向転換をするようになりました。
大物投資家が仮想通貨に関心を示し、実際に参加する事で法律など規制面やボラティリティ(価格変動率)のリスクといった懸念点も徐々に環境が整ってくるのではないでしょうか。
実際に最近世界の様々な国が独自の規制を作り、取り締まることにより仮想通貨の今までの環境が変わりつつあります。
今回、ソロス氏のような大物投資家が参加する事でHYIPやMLMのような極めてリスクの高い投資分野でなく、投機・投資としても認められてきていると市場参加者らは考えています。
しかしながら、実需のフェーズはまだ遠く、特に取引の多い日本国内においてもビットコインやアルトコインを実際に通貨として利用するシーンは少なく、まだ十分に普及しているとは言えません。
投資でのソロス氏の発言は大きな影響力があることから、今後は徐々に仮想通貨市場の取引に安心感を与えるでしょう。また、より多くの市場参加者が増えてくることで、支払いなどといった通貨としての実需にもつながっていくことにも期待されます。
参考:Bloomberg