米医療保険最大手であるユナイテッドヘルスグループは2日、ブロックチェーン技術を使い、医療関連記録の質の向上を図る取り組みを始めることを発表しました。
米国では保険金の請求から受領までの時間や、申請内容、医療記録の整合性が課題となっており、ブロックチェーン技術を使うことでこれらの問題を解決ができるとしています。また、この取り組みはユナイテッドヘルス以外に4社と共同で実施するとしています。
現在ヘルスケア産業において毎年2,200億円以上が医療提供者データの維持や更新に費やされているためにコスト削減においてもブロックチェーンの活用が期待されています。
ユナイテッドヘルスの売上は21兆円以上と、米国での最大級の企業であって、今回の取り組みが本格的に導入されることになれば米医療産業界に与える影響はとても大きいでしょう。
今回の取り組みを機に日本の医療、保険業界も同様ブロックチェーン技術を取り入れることが重要とも考えられます。国の医療コストは少子高齢化に伴い上昇しており、国の財政を圧迫しているのが現状です。コスト削減により、こういった負担を減らすこともできるでしょう。
さらに医師や医療関係者の不足が今後懸念されているため、人為的な作業を削減できるブロックチェーンを積極的に導入する事で、効率的に医療業務に向き合う事もできます。
保険業界も労働人口が減っているためになるべく保険外交員の作業を少なくし、複雑化している保険契約もブロックチェーンによるスマートコントラクトを採用する事で人為的ミスを減らすことも考えられます。
医療と保険の整合性を高めるためには両分野をブロックチェーンによって改ざんやミスを無くすことはとても重要です。ブロックチェーンでの医療関連記録がスタンダードになれば、患者や保険の契約者は確実・安全にどんな場所でも正確な医療データに基づくサービスを受けられるようになるでしょう。