イーサリアムジャパンの主催する「Ethereum Japan Community Meetup 」が28日、東京大学にて行なわれました。この場ではイーサリアム考案者であるVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏も登壇し、今後のイーサリアムはどの方向に行くのかを語りました。

ブテリン氏によれば、今後2~3年をかけて行われるイーサリアムのロードマップについて語り、ブテリン氏が考えているイーサリアムの今後の重要な技術について主に語りました。

1つ目は「Casper(FFG)」で、現在イーサリアムが採用しているPoW(プルーフオブワーク)からPoS(プルーフオブステーク)へ移行させるためのプロジェクトであり、FFG(Friendly Finality Gadget)は、CasperのPoSへの初段階の移行プロセスにあたり、PoWとPoSの両方のコンセンサスアルゴリズムを並走させます。

ブテリン氏はPoWの非効率であり、かつ大量の電力を消費することに問題点があると捉えており、PoSにおいても51%アタックなどに対するセキュリティを強化する目的としてCasperを通じてブロックチェーンでのチェックポイントを設けるとしています。

2つ目はセカンドレイヤーソリューションである「Plasma」であり、メインチェーンとは異なるブロックチェーンを構築し、ブロックチェーン本体とPlasmaのブロックチェーンを部分的に同期させる事で、メインチェーンへの負担を減らすことができるとしています。この構造はLiskにおけるサイドチェーンの機能に似ている印象も伺えます。

この時、ETHにペッグしたトークンを発行し、Plasmaのネットワーク上で利用する事を可能にし、トークンが盗難に遭う事があったとしても、イーサリアム本体のブロックチェーンでの資産の安全性は確保されるとしています。これはNEOで言うGAS的なトークンが出て使うようなイメージでしょうか。

そして、3つ目はスケーラビリティソリューションである「Sharding」で、ネットワークのセキュリティ維持に必要なノードを分業して、取引処理能力を向上させるとしています。

これらの3点以外にも、他にイーサリアムのコミュニティ内での技術競争も歓迎しているとのことで、今後も更なるイーサリアムの発展にブテリン氏は前向きに捉えていることがわかります。