決済サービス大手である米サークル社が、2月に買収した仮想通貨取引所Poloniex(ポロニエックス)をアジア地域に拡大する事が分かりました。Bloombergによって伝えられています。
今回の拡大にあたって、最大100人を雇用する計画としています。サークルの共同設立者及びCEOである、ジェレミー・アレール氏は、日本だけに限らず、韓国、香港、中国でサービス提供する計画をしており、今後ポロニエックスを通じて仮想通貨サービスを多角化する予定です。
仮想通貨についてアメリカだけでなく日本や韓国など仮想通貨取引で盛んなところ以外に取引所が多く拠点としている香港にも進出する事で仮想通貨分野で首位に立ちたいと狙っていると見られます。
香港では仮想通貨取引量1位であるバイナンスが拠点を置いており、同社は将来、分散型取引所DEXでの取引プラットフォームを計画していることもあるために取引所同士での競争は激化し、今後さらに激しいものとなるでしょう。
アレール氏は長期的な見通しでは地球上のあらゆる形態の価値で、暗号技術を使ったトークンになることで仮想通貨の将来性に対して明るい見方をしています。様々なサービスを展開し続け、先日は仮想通貨投資アプリのサークル・インベストを開発し米国の46州にて早期版を提供しています。
この他に卸売店頭取引のプラットフォームのサークル・トレード、決済アプリのサークル・ペイなども提供していることから、将来これらのサービスでもアジア地域に進出してくることも考えられます。
また、サークルは大手企業からの投資も受けており、例えば、ゴールドマンサックス、中国の百度(バイドゥ)、投資銀行の中国国際金融有限公司などの投資家から1億4,000万ドルを調達しています。
このところ仮想通貨市場は全面的に軟調な相場動向で、何か高騰するきっかけが欲しいと模索している状況が続いていますが、サークルの規模拡大により仮想通貨取引全体を押し上げる要因になることも考えられます。
日本国内においては先に発表された、内外為替一元化コンソーシアムによる決済アプリの「マネータップ」や、韓国ではBithumbが飲食店向けに決済システムのレンタル事業を検討しているために、今後さらにアジアに仮想通貨関連サービスが普及していく事で、仮想通貨の実需が改めて見直されていく事でしょう。
参考:Bloomberg