世界最大級のカンファレンスである「Money20/20 Asia」が、3月13日~15日にシンガポールで開催されました。
同イベントにはRipple(リップル)社の最高経営責任者(CEO)であるBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)氏も登壇しました。Faisal Khan社のCEOである、Faisal Khan氏との「デジタル時代の新しい支払いシステム」をテーマにした議論では、RippleやXRP、さらにIoV(価値のインターネット)についての将来のビジョンを概説しました。
ガーリングハウス氏がステージに立つ前は、世界銀行の経済専門家であるDilip Ratha氏が登壇しており、世界銀行は2030年までに送金手数料を7%から3%に引き下げることを重要な目標としていることを述べておりました。
ガーリングハウス氏は壇上に立つとさっそくこの統計と、リップル社が目指すゴールである“価値のインターネット”を絡めて、以下のように述べました。
「2030年までに送金手数料を3%に引き下げなければ、我々は失敗したと言っていいでしょう。しかし、もし成功していたとすれば、3%どころの話ではない。送金手数料0.3%という話になってくるだろう。」
今は200ドル(約2万1,000円)の送金をするのに約14ドルの手数料(為替レートや国・地域により異なる)がかかりますが、ガーリングハウス氏はこれがたった60セントで済むような未来のビジョンを描いているのです。
非常に大胆な声明ではありますが、送金支払いコストを大幅に下げることによって、世界経済は飛躍的に成長する可能性があります。同時にリップルが目指す“価値のインターネット”が発展していけば、国境を越えた支払いのコストが劇的に低下するだけでなく、国際送金にかかる時間を大幅に短縮し、即時に支払いを行えるようになります。
Khan氏が、現在金融機関が国際送金の手段として長く使用しているSWIFTシステムと、リップルのxCurrentソリューションを比較した場合はどうかと尋ねると、ガーリングハウス氏は以下のように述べました。
「公表されているSWIFTのエラー率は6%です。貴方の電子メールの6%が人の介入なしには進まなかったと想像してみてください。」
ガーリングハウス氏はリップルとXRPの批判についても言及しました。デジタルアセットのボラティリティリスク(価格変動によるリスク)が批判の対象とされており、これについては、XRPを使用した場合、ボラティリティリスクが発生するのは3秒間だけであると述べました。従来のSWIFTでは数日間かかるため、さらなるボラティリティリスクが発生している可能性が高いことを指摘しました。
最後にガーリングハウス氏は以下のように述べ、講演を締めくくりました。
「リップル社は現在、分散型の技術開発を行っております。仮にリップル社が無くなったとしても・・・もちろん無くならないことを願ってますが、XRPレジャーは引き続き残っていくでしょう。」
参考:Ripple