仮想通貨のマイニングについて、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の仕様となっているビットコインなどはマイニング機器を使い計算して生み出されていますが、主なデメリットとして2つ、「電力の過剰消費」と「排熱処理にかかるムダなエネルギー」が挙げられます。

特に余分な熱を生み出すとして環境破壊のイメージや、国によっては課税をするなどの動きが出てきており、マイナーにとっては最近、肩身の狭い状況が続いていました。

そんな中、これを逆手にとる試みとして、チェコにある仮想通貨取引所のNakamotoXの共同創業者が、マイニングで発生する余分な熱を使って食用の農作物を育てるブロックチェーンベンチャー企業を立ち上げました。

実際に5エーカーの温室でトマト栽培に成功しており、1エーカー辺り約1,224坪ですので、6,000坪以上と相当な広さにおいて本格的に行われていることがわかります。この技術を今後既存のマイナーが取り入れることで肩身の狭い状態から脱出できると考えられます。

さらに農作物を育てることは今後の発展に結びつくとして、特に期待されるのが地域貢献の分野です。例えば、過疎地において土地の有効活用と言うと一時期、太陽光発電のためにパネルの設置をするのが主流でしたが、PoWのマイニング施設を置き、さらに農作物を栽培する温室を設置するのであれば、マイニングによる税収だけに限らず、地場産業として農作物を地域の特産にすることもできます。名前もcryptomatoes(クリプトマト)と、とてもキャッチーです。

日本であれば島が多いためにこのような連携の施設を置くことで、台風などに食べ物の輸送が困難な時期を迎える地域であれば、食物に心配することなく、自給自足をその地域において発展させる事ができます。また、農作物以外では日本は特に入浴施設が発展していますので、排熱ボイラーと連携させることも考えられます。

チェコの温室施設はさらにマイニング作業はバイオ廃棄物から得た電力を使って行うとされているために燃料コストにおいてもとってもエコです。また、トマトだけに限らず熱が必要な作物であればあらゆる農作物に転化することができるために注目されていく事でしょう。

どのように実現させているのかは、以下のKamil Brejcha(@KamilBrejcha)さんのTwitterから確認する事ができます。