仮想通貨のマイニングは、欧州では完全に合法であり、電気基準規則を守れば問題はないと、EC(欧州委員会)委員長が述べました。

先週、デジタル経済社会部門委員長であるMariya Gabriel氏は仮想通貨業界の規制状況を明らかにするとともに、マイニングによるエネルギー大量消費問題についても懸念を示しており、それを踏まえたうえでGabriel氏は以下のように述べました。

「この活動(仮想通貨のマイニング)によって消費されているエネルギーが法律に従って消費されている以上、これを禁じる、または制限する法的根拠はありません。さらに、今のところ、委員会もそれを監視するような措置は整備しておりません。」

「しかし、エネルギーを消費する経済活動として、エネルギー消費効率や温室効果ガスの排出量といった点においてはEUの規制の対象となっております。欧州委員会は引き続き、仮想通貨がエネルギー消費と需要に及ぼす影響について検討していく方針です。」

欧州で現在どの程度マイニングが行われているかは明らかとなっておりませんが、マイニングは今でも中国に集中しているとGabriel氏は指摘しました。しかし、それでも一部のマイニング活動は欧州で行われており、その現状を看過するわけにはいかないと強調しています。

ワシントンポスト紙は、発電量の大部分を水力発電に頼るアイスランドでは、マイニングの電力消費が全国民の電力消費を超えたと先月に報じました。2018年には電力消費がこれまでの2倍となる見通しであるとも伝えられております。アイスランドはEU加盟国ではありませんが、れっきとした欧州経済圏の一部です。欧州の大量の電力消費への懸念は着実に広がっていると言っていいでしょう。

専門家がワシントンポスト紙に語ったところによると、現在世界の発電量の約0.14%はマイニングによって消費されていると言います。この事実は、「再生可能エネルギー」を使用した解決策の実証実験を促すための動機の一つとなる可能性がありますし、再生可能エネルギーを手掛けている企業にとっては成長の原動力となるかもしれません。

参考:European Parliament , The Washington Post