もし今日から世界中でインターネットが使えなくなったら、一体どうなってしまうでしょうか?

今ではインターネットに頼った様々なサービスが展開されており、世界中の人々がライフラインとして日々インターネットを利用しております。個人レベルから国家レベルまで当たり前のように利用されているインターネットがもし無くなったとしたら、世界中が大混乱となることは間違いありません。

情報の世界のみならず、ビジネス、生活、文化に多大な影響を与えたインターネットは、今日まで私たちの世界を大きく変えてきました。そしてこのインターネットに次ぐ大革命と言われているのが「仮想通貨」です。正確には仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン」がそれであると言うべきかもしれません。インターネットに匹敵する発明として世界中から注目を集めております。

そんな革命的な発明とされる仮想通貨ですが、世界中で仮想通貨を使った詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)など、犯罪が後を絶たないことや、政府など中央が管理しきれない現状から、多くの国で禁止や規制が行われるようになりました。

革命的な技術の誕生、技術の悪用、そして普及率の上昇につれて実施される規制。この流れはインターネットが誕生した際の世界的な動向と非常によく似ております。1990年代初めにインターネットが誕生し、その普及、拡大に伴いインターネットを使った詐欺や犯罪が増加、規制当局と政府の間で消費者保護の懸念が浮上しました。

しかし、インターネットを禁止することは世界との繋がりを弱めると同時に、イノベーションを妨げ、これからの時代の進歩を止めることになってしまうでしょう。インターネットに次ぐ革命と言われる仮想通貨を禁止するということも、同等の影響があると考えられます。

インターネットの場合は、W3C(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)との協力により、電子商取引の世界的な枠組みが創設され、インターネットの成長の道が切り開かれましたが、仮想通貨の場合は一体どうなるのでしょうか?世界中の国で仮想通貨の規制への動きが激しくなっている今こそ、国ごとの規制ではなく、グローバルな枠組みでの規制が必要なのではないでしょうか。

アジアでは、韓国が国際的整合性を主張したのに対し、中国はほとんどの仮想通貨活動を禁止するという状況です。ヨーロッパでは、フランスとドイツがG20に対し仮想通貨の国際的な規制の枠組みを考慮に入れるよう呼びかけました。

この枠組みの作成は規制当局、各国の中央銀行、金融機関、そして技術者が協力していく必要があります。国によって全く対応の仕方が違いますし、そう簡単にはいかないことは容易に想像できますが、もし成功すれば、世界の多くの財政問題を解決に導くだけでなく、新しい支払いシステムが構築されることで多くの企業にビジネスインパクトをもたらすことにもなっていくでしょう。

仮想通貨やその基盤技術であるブロックチェーンがもたらす新たな経済を、適切な規制を通して取り込めるかどうかが我々の未来を決めると言っても過言ではないでしょう。

参考:The Hill