仮想通貨の値動きを見ていると、バブルを久しぶりに見たと思った方も少なくないのではないでしょうか。これまで世界では“チューリップバブル”や“インターネット・バブル”などいろいろなバブルがありましたが、崩壊時の惨事の例を見ていくと、誰もが熱狂するものはたいてい壮大な落とし穴が待っているということが分かります。
しかし、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムでは、時価総額の面ではまだ「インターネット・バブルほどの領域にはいない」と言及する投資家もいます。
CNBCの座談会では、Fabric Venturesのゼネラルパートナーでインターネット起業家、投資家、ビットコインの先駆者であるリチャード・ミュアヘッド氏、イーサリアムの共同創始者のジョセフ・ルービン氏、そしてブロックチェーンの共同設立者であるニック・キャリー氏が集い、仮想通貨の未来について語り合いました。
仮想通貨のデータサイトCoinmarketcapのデータによると、現在時価総額は約5,440億ドルとされておりますが、ミュアヘッド氏はインターネット企業の株価が急騰したことで有名なインターネット・バブル時は、企業の時価総額は「数兆ドル」であったと述べました。これと比較すると仮想通貨は5000億ドルほどだと言い、当時のバブル時との差が大きくあることを伝えました。加えて以下のようにも述べました。
「価格はおそらくもっと投機的になっているかもしれないが、質の高いチームが増えてきて興味深いアプリケーションが開発されてきている。まだまだ時間がかかると思うし、辛抱強く待たなければならない。時価総額の面ではまだまだインターネット・バブル時のような勢力にはなっていないが、この波は世紀の転換期よりも影響が大きいと見ている人も多くいる。」
ルービン氏とキャリー氏も仮想通貨やブロックチェーン技術については前向きな意見が見られ、ブロックチェーンで構築されている多くのアプリケーションについて語り、また多くのその技術が仮想通貨を支えているということを伝えました。
1999年から2001年までのわずか2年という短い間で起こったインターネット・バブルは強烈かつ短命に終わりましたが、仮想通貨も同じような道のりを歩んでいる途中のように感じる方も多くいらっしゃると思います。しかし、インターネット・バブルと現在の仮想通貨市場の時価総額に大きな開きがあることからも、「まだまだこれからで今はバブルじゃない」と予想する人もまた多くいることでしょう。
ミュアヘッド氏が語ったように、インターネット・バブルを超える規模の市場となっていくと見ている人も多くおり、その可能性は未知数です。今が加熱しているバブルなのか?それともまだまだ助走の段階で、本当のバブルはこれから訪れるのか?いずれにせよ、現状の仮想通貨市場はリスクが潜んでおりますので、手が後ろに回るようなことはせず、正しい知識を持って対応していく必要があると言えるでしょう。
参考:CNBC