韓国政府が、先週ビットコインなど仮想通貨に対しての投機熱を懸念し、これの対策を追加で発表。仮想通貨の取引所閉鎖に向けた特別法案を制定する計画を進めていることが分かりました。

韓国政府は、以前から仮想通貨に関する法整備を検討していますが、今回の関係官庁の会議では国務調整室長である、洪楠基(ホン・ナムギ)氏が以下のように述べました。

「ビットコインは法定通貨ではありません。価格変動が大きく、詐欺や仮想通貨取引所へのハッキングなどの注意喚起を行っていました。多くの仮想通貨の韓国内での価格が海外より高額で取引されており、根拠のない投機が過熱しています。これ以上は放置できません。」

韓国では特に若者が多く、ギャンブル感覚での投機に懸念もされていましたが、以前の「通貨として認めないので規制もしない」という姿勢から、ここにきて政府側もようやく重い腰をあげたように伺えます。

韓国政府が提出した規制法案は、「仮想通貨口座を匿名で開設することを禁止」「仮想通貨取引所で匿名での取引を禁止」の2点です。

このことから主にKYC(顧客確認)を重要視していることが分かりますが、規制といってもまったくの禁止という訳ではなく、本人確認をする程度の内容のようです。これまで顧客確認をしないで口座開設・売買取引をしていたというのも到底投資する感覚ではなく危険な話だと考えられます。

このような背景から税金逃れや犯罪資金のマネーロンダリング(資金洗浄)に使われていることも少なくありません。

韓国では全世界の仮想通貨取引の約20%前後を占めています。こういった投機的需要により韓国でのビットコイン価格は世界基準でもかなり高くなっており“キムチプレミアム”とも呼ばれています。