仮想通貨に対する投資が最近強く関心を集めています。仮想通貨支持派の人は、仮想通貨が新しい境地を作って行き、その将来性は青天井であるとの見解を示しています。

仮想通貨に懐疑的な見解を持っている伝統的な通貨信奉者は、仮想通貨を中心とした分散管理のシステムに詐欺の危険性があると主張しています。

先日のCBOE(シカゴ・オプション取引所)のビットコイン先物取引をめぐる一連の動きは予想の範囲内であり、大きな混乱や熱狂は見られませんでした。

その翌日には180万ドル相当のイーサリアムを盗んだとする犯人がニューヨーク地方検事局により、窃盗で起訴されるなど、仮想通貨を巡っては良いニュースも悪いニュースも溢れています。

しかしながら、近年キャッシュレス社会に移行する傾向は依然として強く見られます。2018年以降はどのような動きになるのでしょうか?

BT AmericasのCTO(最高技術責任者)である、Konstantinos Karagiannis氏は、仮想通貨の脆弱性について以下のように述べています。

仮想通貨市場の流通面の脆弱性には市場の脆弱性とシステムの脆弱性の二つがあります。市場ではビットコインなどの価格が上がるたびにバブルがバブルを産む状況が続いています。技術的な問題はコインの紛失、ハッキングや盗難、一部のICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)のように単純な詐欺があります。

Karagiannis氏の見通しとして2018年は、実際のICOサイトに成りすました詐欺(フィッシング詐欺)や、インターネット上ではなく、現実の世界での拉致や誘拐による盗難の悪化、そして従来のハッキングが多発すると見ており、これらを未然に防止することが大事だとしています。

ブロックチェーンを基盤とするソフトウェア会社、ShipChain社のCEOであるJohn Monarch氏は仮想通貨に対して以下のように述べています。

仮想通貨は、最初にビットコインがヒットしてから、世界を席巻している新しい資産クラスです。ボラティリティ(価格変動率)を恐れることもありますが、技術的な面の熱狂がそれを上回っています。実際に関わっている人は仮想通貨と、その技術であるブロックチェーンの進化について多くの喜びを感じています。

Monarch氏の見通しとして2018年は、規制が大事だとしています。米政府は1933年の古い証券法を急いで修正し、仮想通貨に適用したり、新しい資産クラスに対する法整備に取り掛かっています。また、企業の現場では 大企業からの仮想通貨による支払いの増加が見られます。仮想通貨の送金を受け取る企業もそれの対応を準備しています。

多くの人は、AmazonとeBayがこの分野における対応をし、うまくいくと見ています。これらの企業のほとんどは、受け取った仮想通貨を市場でリアルタイムに精算できるような技術の導入をします。

BitcoinBankUSを所有するAegis FinServ Corpの社長である、Jim Angleton氏は、以下のように述べています。

ハッキングのターゲットにされれば一瞬でマルウェアやランサムウェアに感染します。CFPB(Consumer Financial Protection Bureau:米消費者金融保護局)に提出された多くの苦情は、ビットコインやライトコインなどがハッキングされたとするユーザーからのものでした。

保険や保証がないため、購入後数時間、数週間、または数ヶ月の間に苦労して獲得した資金が盗まれる可能性があるため、投資家の懸念は増大するばかりです。多くの仮想通貨は規制当局、例えばCFPB(米消費者金融保護局)、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)、SEC(米証券取引委員会)、FTC(連邦取引委員会)によって監査されておらず、2018年には財務監査を受けることになるでしょう。政府が公的に仮想通貨を禁止すれば、それによって償還額や払い戻し額がゼロになるというリスクもあります。

Angleton氏の見通しでは、2018年にはブロックチェーンを多様化して、個人情報保護、ID保護、オンライン・サービス保護などの新しい分野での活用がされるようになると見ています。108カ国は、従来の紙幣ではなく、また米ドルに依存しないようにデジタル通貨を発行する実験を試みます。このうち20カ国以上が仮想通貨の実用に向けたテストを開始すると考えています。

2017年は「仮想通貨元年」と言われることがありますが、2018年はさらに進化しブロックチェーン技術や仮想通貨の実用化など、この分野の発展は今年よりも著しくなると考えられます。

参考:Forbes