Bitcoin.comの共同創業者でCTO(最高技術責任者)である、エミル・オルデンバーグ氏が、自身の保有するビットコイン(BTC)をすべて売却し、ビットコインキャッシュ(BCH)に交換したことが分かりました。

BREAKITのインタビューの中でオルデンバーグ氏はビットコインに対して懐疑的な見解をし、以下のように述べました。

「ビットコインへの投資は今できる投資の中で最も危険な投資だと思います。非常に高いリスクがあります。私は最近、ビットコインをすべて売って、ビットコインキャッシュに切り替えました。」

ビットコインは、その手数料が高いことがしばしば指摘されますが、実際に使用する人よりも投機的に購入する人が増えているのが現状で、投機家からすれば技術的な問題よりも、儲かればいいという考えが先行しています。オルデンバーグ氏が懸念する問題点として、高い手数料と、トランザクションにかかる時間を挙げています。

「私がビットコインを売却したときに、50ドルの手数料を支払わなければなりませんでした。また、トランザクションが完了するまでに12時間待っていました。これは合理的ではありません。」

また、オルデンバーグ氏は以下のように続けました。

「この仕組みを人々が理解すれば、彼らは(ビットコインを)売り出すでしょう。」

ビットコインキャッシュは2017年8月にビットコインのブロックチェーンから分岐した仮想通貨です。当初はあまり価値がないと一部では言われていましたが、その性能はビットコインを上回っているという見解もあり、ビットコインのブロックサイズが1MBに対しビットコインキャッシュは8MBとブロックサイズの大きさなどからも優位性が見直されています。

ビットコインとビットコインキャッシュを巡っては、使用する人の好みにもよりますが、オルデンバーグ氏のように考えている人が多いのも事実です。Bitcoin.comのCEOであり、ビットコインジーザスとも呼ばれるロジャー・バー氏はビットコインキャッシュ支持派としても知られています。

20日14時現在では、1ビットコインキャッシュ=3,340ドル(約377,000円)、直近24時間の価格変動は52.63%のプラスと大幅に上昇しています。(CoinMarketCapの統計より)

今回の高騰はビットコインの決済サービス「Bit Pay」へのビットコインキャッシュ対応や、米大手仮想通貨取引所の「Coinbase」での取り扱い開始によるものが起因していると考えられています。

ビットコインは現在17,000ドル(約192万円)、24時間の価格変動は10%のマイナスまで下げていますが、このようにボラティリティ(価格変動率)の高さも投機熱を高める要因のひとつです。

ビットコインやビットコインキャッシュに限らず、その他の仮想通貨も日に10%、20%以上と価格を上下させることは決して珍しくはありません。一時的な上昇や下落に一喜一憂しないよう精神衛生を優先して、冷静な判断が求められます。

参考:BREAKIT