仮想通貨市場全体での時価総額2位をキープするイーサリアム(ETH)ですが、このところ好材料が続き過去最高値を更新中です。

先日は、英国の高級ブランド店LuxDeco社がイーサリアムを使い、社債発行の準備に入ったことが発表されました。

イーサリアムと言えば、その最大の特徴でもあるスマートコントラクトの技術活用に注目され、また、イーサリアムベースでのデジタルトークン(仮想通貨)の発行も専門知識さえあれば可能ということもあり、敷居が低いことから、ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)に用いられるケースが多く見られます。

シンガポールで行われたフィンテックフェスティバルの中で、イーサリアム共同創始者のJoseph Lubin氏はICOに対し、懸念もあると自身の見解を示しました。

本来、ブロックチェーン技術の活用により、素晴らしいプロジェクトが実現できるのに、多くのプロジェクトは詐欺まがいでずさんなものばかりです。

また、上場企業など実績のある会社がICOを行えば健全かと言えば、一概にもそう言い切れないのではないでしょうか。

スタートアップが、企画するプロジェクトで本当に素晴らしいプロジェクトや賛同、応援をしたくなるようなものに寄付のような形で出資するのが望ましい姿だと考えられます。

スタートアップの場合は、実績も少なく銀行からの融資やVCによる資金調達も厳しいという現実があります。これを解消するための資金調達方法としてICOが有効だと思われます。

玉石混交のプロジェクトが万延する中、法規制が追いつかずにICOはもはや無法地帯となりつつあります。(もちろん、素晴らしいプロジェクトもたくさんあります。)

イーサリアムを使えば、ICOだけでなく社債といった金融商品を提供することができ、これに英国の金融庁にあたるFCA(英国金融行動監視機構)が判を押したということが、今回の高騰の要因と考えられます。今後はイーサリアムを使ったICOはもとより社債発行が増えてくるかも知れません。

また、イーサリアムは先にメトロポリスのアップデートに伴うハードフォーク、ビザンチウムに続く第2弾となる、コンスタンティノープルが控えているため、これに対する期待上げも考えられます。25日16時現在、474ドル(約5万3,000円)、直近24時間での価格変動は15.33%のプラスとなっています。( CoinMarketCapの統計より)

中国から資金が流入したこともあり、仮想通貨全体的にも一気に高騰したため、イーサリアムに限らず、その他の通貨に関しても調整局面が考えられますが、その後、上げ相場になる可能性も十分にあります。市場参加者からは今後の相場動向が注目されています。