仮想通貨のビットコインキャッシュ(BCH)が17日から高騰をつづけ、19日には1BCHあたり996ドルと過去最高値を更新した。(CoinMarketCapの統計より、以下同)一時の暴騰は収まりつつあるが、21日現在も81,000円ほどを推移しており、高値水準で取引されている。
今回の高騰にはさまざまな要因が考えられている。ひとつはビットコインキャッシュのマイニング(採掘)の難易度調整が行われ、効率化されたという点が挙げられる。これは20日に行われたものだが、これを見越して先にビットコインキャッシュを購入していた投資家が見られ、主に韓国ウォンでの取引が多い。
また今までは、ビットコインキャッシュのマイニングに積極的なマイニング企業は一部で、ViaBTCやBitcoin.comが主に行っていた。ここで大手マイニングプールのBTC.comとBTC.topが参入したことでマイナー、ユーザー問わず話題となっている。これにより、さらに多くのビットコインキャッシュが掘り進められることは想像に難くない。また、先の難易度調整により現状ではビットコインよりも、ビットコインキャッシュをマイニングする方が収益性が高いと見られている。
このような流れになれば、マイニング企業としては効率を求めるわけで、今度はビットコインに集中していたハッシュパワーが、ビットコインキャッシュに振り分けられる。この場合、ビットコインの価格にも影響が出るという見方も強い。
仮にBTC.comやBTC.top、その他のマイニングプールが後を追ってビットコインキャッシュをサポートしていくとなると、今後さらにビットコインキャッシュの取引が活性化される。直結的に結びつけるのは短絡的かもしれないが、可能性は高いと現状では予測されている。
ビットコインは21日現在、44万5,000円ほどで価格を推移しており、この1週間だけでも非常にボラテリィティ(価格変動率)の高い相場となっている。長期的には今後の上昇を見据えれば安値との見方もあるが、非常に手の出しづらい相場となっている。
先の高騰で一気に、仮想通貨市場での時価総額3位に躍り出たビットコインキャッシュと、不動の1位をキープするビットコイン。8月22日から23日ころにはSegWitのアクティベートも実行される予定なので、ビットコインを購入するのであれば、このあたりの動きを見てからの方がいいかもしれない。急な高騰に飛びつくのはリスクが高い。ここは冷静な判断が求められる。大手マイニングプールの参戦に加えてビットコインのSegWitアクティベート。しばらくはビットコイン、ビットコインキャッシュの相場動向から目が離せなそうだ。