ここしばらく懸念されているUASF(ユーザー・アクティベーテッド・ソフトフォーク)でのビットコイン分裂問題。これを回避するために打ち出されたBIP91が多くの支持を集め、21日にロックインされた。順当に進めば23日から24日ころにかけて正式にリリースされる予定となっている。

これを受けて、21日12時現在の相場は高騰しており、ビットコイン(BTC)は1BTC/30万円台を取り返した。また、仮想通貨市場全体へも波及し、時価総額100位までで97の通貨が前日比をプラスにしている。市場の時価総額は一時の800億ドル前半から約940億ドルまで回復している。(CoinMarketCapの統計より)

早くも市場では楽観的な声も散見され、このまま高騰を続けていくのか?といったところでも話題となっている。しかしながら、今回のロックイン後の流れは極端な話、問題を先送りにしたようなもので、Segwitを8月中に搭載、その3ヶ月後にあたる11月ころにはハードフォークが行われると考えられている。

ユーザー側からすれば、ひとまずの安堵かもしれないが、マイナー、取引所などその他関連企業によって今回のBIP91がロックインされたことでのメリット・デメリットが異なってくる。

この他にも中国のマイナーによる、ビットコインキャッシュ(BCC)のハードフォークも控えており、ビットコインが抱える問題はまだ山ほど残っている。今後、先にかけてビットコインは収束に向かっていくのか?それとも分岐するのか?いまだ不透明な中、どのように対応していくか慎重な判断が求められる。

国内の多くの仮想通貨取引所では8月1日から4日までビットコインの取引停止の措置を予定している。国内でも取引高が多いビットコイン、これによって相場にも影響が出るとの予測もされている。

また、この期間中はビットコインを一時ハードウェアウォレットに移動させるか、円やドルに交換させておくことが望ましいと考えられている。大きなレバレッジをかけた取引などはできれば控えるべきだという声も多い。

まずは7月23日から24日ころにかけてBIP91の有効化と、8月以降の動きに注目していきたい。フェイクやムダに危機感を煽る意見も多い昨今、振り回されないように注意して情報収集する必要がありそうだ。