相場乱高下に歯止めが効かない仮想通貨市場。ビットコイン(BTC)だけではなく、時価総額2位に位置するイーサリアム(ETH)もこの1ヶ月で大きく相場を下落させている。
6月13日には1ETH/411USDだったが、7日12日は1ETH/193USD(CoinMarketCapの統計より)と半値を下回り、市場では悲観が増えている。6月に高値を付けていたときは暴騰を懸念する声も多く、先の下落も予測されていたものの、いざ相場を下げれば悲観してしまうのは心のどこかで期待をしているからだろうか。
先の高騰の要因はイーサリアムベースでのICOが相次ぎ、資金が集中したためとの見方もされ、また8月1日のビットコイン分裂を懸念して時価総額2位のイーサリアムに買い替えるといった声も多かった。その他にはリップル(XRP)やライトコイン(LTC)への一時的な避難をするという意見も多い。
6月13日と7月12日の相場動向は、ビットコインは1BTC/2,773USDから1BTC/2,307USD。リップルは1XRP/0.27USDから1XRP/0.18USDといずれも下げているが、ライトコインは1LTC/28USDから1LTC/44USDと50%以上のプラスとなっている。
イーサリアムは米仮想通貨取引所GDAXでフラッシュ・クラッシュを起こしたことや、スケーラビリティの問題も抱えているため、これを懸念する声も少なくない。
アルトコイン(オルトコイン)に分散されていた資金が、ビットコインに戻してきており、これを法定通貨(ドルや円など)に買い戻されているとの見方が強い。
仮想通貨には適正価格という概念がなく、また、完全な需給関係のみによって価格が決まるため、取引が成立したその時その時が適正価格であるという見解もされる。ビットコインの分裂問題がどうなるか、目先が不透明な中、今後の相場動向から目が離せない。