取引データを追跡するCoin Danceによれば、ベネズエラにおいてベネズエラの通貨であるボリバルとビットコインとの週間取引高が過去最高を更新していることがわかった。過去490億ボリバルを記録していたが、7月13日~20日の一週間で570億ボリバルの取引が確認された。

ただし、現在ベネズエラでは現在インフレーションの真っ只中でありボリバルの価値が落ちたため副作用としてのものであり、より多くのビットコインを購入されたわけではないとのこと。事実、570億ボリバルで取引されたビットコインは574BTCにとどまり、今年2月に記録した2,487BTCの取引高には及ばない数字となった。このときは約240億ボリバルとの取引であった。

2019年中にはインフレ率が1000万%にも及ぶと言われるボリバル、かつては米ドルに避難していた資金が一部ビットコインへと移り、その役割を果たしているようだ。

ベネズエラにはインフレ対策を含めて開発された官製ステーブルコインのペトロもあるが、国民からの信頼は得られておらず、反体制派であり西側諸国から暫定大統領として承認されているグアイド暫定大統領いわく「人々を騙し続けるために使われている冗談のような通貨」と批判されてもおり、ペトロの将来もボリバル同様に暗いものと見られる。

ベネズエラのインフレ及び治安の悪化や政治的不安定は別途解消すべき問題ではあるが、仮想通貨により世界と経済的につながることで問題の火を少しでも収めることに役立っているのも事実であろう。今後通貨危機を起こしそうな国においても自国通貨の価値が損失しきる前に仮想通貨へと退避させていく事例は増えるだろう。

参考:Coin Dance