8月11日、イーサリアムの開発者はライブストリームで「The Merge」が9月の15日か16日に行われる可能性が高いことを知らせた。The Mergeはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)をイーサリアムのメインネットに統合するためのアップグレードとなる。The Mergeが行われることでイーサリアムのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)は終了する。
公式サイトの発表によればThe Mergeはシャードチェーンの展開への先行が予定されているという。
このアップグレードによりPoSへ完全移行することでイーサリアムは暗号通貨の課題の一つとされているエネルギー問題を大幅に改善することができるようになる。公式サイトでは「イーサリアムのビジョンであるスケーラビリティ、セキュリティ、持続可能性を実現するための本当にワクワクするステップです。」と述べている。
一方で、現在イーサリアムマイニングにチューニングされたデバイスを運用しているマイナーたちの今後の行方が注目を集めている。気候変動への対策の求めに応じるのであればそのままマイニングを停止されるべきなのかもしれないが、マイナーとしてはせっかくのマイニングリグを遊ばせておくよりは、効率的にマイニングできる「第二の通貨」を探したいところだろう。
支配的な勢力を持っているのがイーサリアムクラシックへ移行するのではないかというのが一つの考えだ。イーサリアムと起源を共にする暗号通貨であり合理的な考えとも思われる。また、The Merge適用後にイーサリアムからハードフォークされるPoWのプロジェクトもあり、そちらがどの程度のハッシュレートになるかも現在では予想がついていない。
いずれくるThe Mergeに向けて予め移行先を模索しているか、マイニングを停止しているマイナーの存在も確認されており、6月には大規模なハッシュレートの離脱が見られている。
JPモルガンのストラテジストによると依然としてイーサリアムマイナーはETHをマイニングすることが非常に有益であると結論付けており、多くのマイナーは代替通貨をマイニングするよりもイーサリアムのPoWが終了するまでイーサリアムに固執しつづけるであろうと予測している。