中国発のCBDC(中央銀行デジタル通貨)「デジタル人民元(e-CNY)」のための新しいウォレットアプリケーションが、現地中国でダウンロード可能になった数日後、中国国内で最もダウンロードされたアプリケーションの一つになったことが報じられた。

報道によればウォレットアプリケーションのリリースは、e-CNYによる支払いを増加させることに貢献したと述べている。

e-CNYアプリは公開から一週間後、AppleのiOSアプリストアのランキングにおいて、テンセント社のメッセージングアプリWeChatを抜き、1位を獲得。

現在e-CNYウォレットは中国全土でダウンロードが可能になっているが、e-CNYを利用できるのは特区に限られており、上海や深セン、雄安新区、成都、蘇州、北京などの10の都市が含まれている。

中国では日本のお年玉に相当する「紅包」という制度があり、旧正月である春節には多くの紅包が配られるが、日本と異なり大人から子供に限らず、配偶者や親戚、親などにも配られる習慣があるという。

この紅包になぞらえたe-CNY配布キャンペーンが今年の春節に行われ、本格的な利用が開始される北京の冬季オリンピック開幕となる2月4日へ向けて着々と準備が進んでいるところである。

中国ではモバイル決済市場が他国に先駆けて成熟してきたと言われているが、e-CNYはこれまでに開かれた決済インフラの90%でそのまま利用ができると言われている。

冬季オリンピックの開催期間中にCBDCの利用をグローバルにアピールしたい狙いがあったと見られる中国だが、再び押し寄せてきたコロナウイルスのオミクロン株によるパンデミックと、その抑え込みのための対策が非人道的で過度とも捉えられ、悪い意味でも注目を集めつつある。

e-CNY建ての支払額は増加傾向を引き続き見せており、多方面で中国が注目を集める日々が続きそうだ。