ロシア財務省は今週、2030年までのロシア連邦の金融市場の発展のための戦略を発表。その中でデジタルルーブルが主要な優先事項の一つであると触れられた。

中央銀行のデジタル通貨(CBDC)は、ロシアの決済インフラストラクチャの開発と革新的な金融商品の導入を促進することや、個人や企業の銀行サービスの可用性を向上させる効果が期待されている。

ロシア政府としては、デジタルルーブルの実現は国民たちが金銭の代理品を使用することを阻止し続けることができると考えているようだ。

金銭の代理品とはロシアの規制当局がかつてビットコインなどの暗号通貨を指す際に使用した用語で、暗号通貨の決済目的でのニーズをCBDCで満たしたい考えを明らかにした。

暗号通貨がもたらすマネーロンダリングやテロ資金供与のリスクを引用しつつ、消費者保護を実現するためにロシアはデジタルルーブルに対して、決済および市場インフラ委員会、証券監督者国際機構、および金融安定理事会によって設定された国際基準を考慮に入れると強調している。

CBDCを巡っては、国際決済銀行(BIS)が複数の中央銀行で発行されたCBDC間での国際決済に関する実験をオーストラリア、南アフリカ、マレーシア、シンガポールの4カ国で実施することが今月発表されており、実験が成功すれば低コストかつ迅速なグローバル決済が実現することになる。

プーチン大統領の報道官は先週、ロシア連邦はビットコインを承認する準備ができていないと記者団に語り、国になんの利益をもたらさないためだと注釈を加えている。

ロシア銀行は現在、2021年末までにデジタルルーブルのプロトタイプを提示するための準備をしているところだと発表では述べた。