IRONファイナンスの提供するTITANトークンが水曜日、約64ドルからほぼゼロへと市場価値が転落した。TITANトークンはステーブルコインへと焦点を当て分散型ファイナンス(De-Fi)の革命とも喧伝されたトークンであった。
IRONファイナンスはTITANトークンとUSDCを預け入れることでIRONトークンを得て、IRONトークンを消費することでTITANトークンとUSDCを引き出すことができるようになっており、預け入れ金利として渡されるTITANトークンが高利率だったことからインフルエンサーなどを通じて注目を集めていた。
IRONファイナンスは顧客から預かったUSDCの運用益を顧客へと還元する形でUSDCを募集していたが、IRONファイナンスは今回の暴落に関して取り付け騒ぎが起きたと説明している。
IRONファイナンスの事後報告によれば2021年6月16日の午前10時頃(UTC)、一部の大規模な預金者がUSDCをを引き出したためにTITANの価格が65ドルから30ドルに低下し、その後一旦回復したもののパニック売りが相次いだ述べている。
一方でIRONファイナンスをポンジスキームと批判する声も少なくなく、運営元と先行者以外に利益が得られないという指摘もコミュニティから出ている。
NBAのダラス・マーベリックのオーナーである実業家マーク・キューバン氏も13日に自身のブログで、IRONファイナンスについてDe-FiのイノベーションとTITANの可能性について言及していた。今回受けた損失は自身のポートフォリオ内での割合は小さいとしつつ、規制の必要性についても述べている。
また日本でも仮想通貨インフルエンサーとして知られる人物がTITANについて16日に『こういうことを言うと「煽り」「はめ込み」とか言われる』と前置きしつつ『錬金術が発明された歴史的イベントかもしれません』と述べていた直後の大暴落とあり、結果的に危惧していた通りの事象が起きたうえに、その後本人は売り抜けたために無傷と主張したため批判の的となっている。