ビットコインが次期大型アップデートとなる「Taproot」の準備段階に入った。SegWitが実装された2017年以来、約4年ぶりとなる大型のアップデートとなる。

Taproot有効化のために設けられたドキュメントによればTaprootは、上位互換性のあるソフトフォークとして展開できるビットコインプロトコルのアップグレード案と説明されており、Schnorr署名スキームをMAST(Merklized Alternative Script Tree)およびTapscriptと呼ばれる新しいスクリプト言語と組み合わせることにより、Taprootはビットコインのスマートコントラクトの柔軟性を拡張し、ユーザーが複雑なスマートコントラクトを通常のビットコイントランザクションとしてマスクできるようにすることでプライバシーを強化するものとされている。

ビットコインが後発のブロックチェーンと比較して弱点とされてきた分野のうち、スケーラビリティに関する問題を前回のSegWitで解決し、スマートコントラクト機能の強化を今回のTaprootで図る。

ソフトフォークのため単純なビットコイン利用者としては特に移行を意識する必要はなく、ビットコインマイナーによる合意が形成されことで正式にアップグレードが行われることとなる。

Taprootへの移行に賛成するマイナーは特定のシグナルをブロックに含めることで合意を示すことになり、既にシグナルを含むブロックがすでにツリーに組み込まれている。

グローバルハッシュレートの90%超にTaprootへの支持が示された場合にTaprootは有効化され、シグナリング期間は残り約2000ブロックほどとなっており、結果は8月頃に判明する予定。また90%に達しなかった場合にもTaprootを有効化する他の方法が実施されると説明されている。

大手マイニングプールの多くはTaprootのサポートを開始しているが、Taprootへの反対意見を示す開発者なども現れている。