ベネズエラで米国による制裁を回避する目的のため取引を阻むことのできない収入としてビットコインに目をつけ、軍がマイニング機器を備えた仮想通貨マイニングセンターを開設したことが地元メディアにより報じられた。

ベネズエラ陸軍のマイニングセンターは暗号資産監督当局であるSunacripのサポートを受け11月19日に発足し、開催された式典には民間企業のCrypto&Trading社の代表も出席した。

親米路線であったチャベス前大統領政権から一転し米国批判に転じた現ニコラス・マドゥロ大統領はこれまでに、政府に批判的な自国民にたいする政治的権利の剥奪など人道的見解により国際社会からも問題視され、制裁に繋がった経緯があり、2019年にはついに反政府派から独立した暫定大統領フアン・グアイド氏が現れ、日本としてもグアイド大統領を支持する姿勢を見せている。

ベネズエラでは世界に先駆け公的仮想通貨である「ペトロ」を2017年末に発表し、2018年から流通がされているが、制裁下における国際決済手段に用いる目論見は外れ、取引に応じる国家が見つからなかった。現在は国内流通にとどまっており、新型コロナウイルス感染症の対策や医療従事者へ向けたボーナスなどがペトロで支払われているが、国内市場でも下落が続き公定価格の半額で取引されている。