ドイツ銀行のストラテジストであるジム・ロード氏が「Imagine 2030」というタイトルの仮想通貨に関するレポートを公開した。

仮想通貨の出現により既存の法定通貨が課題に直面していること、人々が匿名性に対して需要を見出していることからデジタル通貨を求めていることから、2030年までに仮想通貨ウォレットのユーザーが2億人に達し、法定通貨にとってかわると主張されている。

ただし前提として政府が仮想通貨をサポートすることを条件としており、ブロックチェーンに対しては融和姿勢を見せつつも仮想通貨の反映に対しては難色を示す政府が多い昨今においては、リード氏の指摘は未だハードルが高いことが伺える。

先日、日本においても日銀の黒田総裁がステーブルコインについて言及したが、日銀としては懸念を表明しており、キャッシュレス決済の推進は図りつつも、その役割を仮想通貨に求める段階には至っていない。

また、グローバルな決済市場との連携も必要と述べられており、各種モバイルペイメントアプリ、さらにVISAやマスターカード、そしてアマゾンなどの小売り業者との協力も必要となる。

普及までに越えねばならない障壁はいくつもある仮想通貨ウォレットであり、実際に2030年までに法定通貨よりも使われることとなる実感は未だにわかないが、各ベンダーも問題解決のために取り組んでおり、取引所のハッキングなどでマイナスイメージの強い2010年代後半となったが、危険性さえ拭い去ることが出来れば導入したいと思わせる期待感を持つユーザーも増えたことだろう。

参考:Imagin 2030