インドのアヌラグ・タクール財務副大臣が、仮想通貨の使用を禁止する法律はない事を議会上院の場で明言した。これはインド内において仮想通貨を禁止する法案と思わしき文書が、ブロックチェーン法律専門家達によって判明したことを受けての発言とされている。

インドにおける仮想通貨に関してのニュースは、ネガティブな印象が強い。インドの仮想通貨取引所のCryptokartが理由を明示せずに閉鎖させたり、また、仮想通貨使用者には刑期を設ける法律を考えていると言う話も出回っている。

また、同じインド国内の最大手だった仮想通貨取引所のKoinexが、中央銀行の役割を持つインド準備銀行から、サービスを停止するように指示をされ閉鎖となっている。

他にもインド内仮想通貨取引所の大手のCoinomeが、同じような理由で閉鎖したりするなど、仮想通貨の使用を禁止する法律はないと言われてもとても安心出来るものではない。

なおアヌラグ・タクール財務副大臣によるとこのような一連の事例は、全て規則に従い行われているとの事だが、政府が現状でも仮想通貨に厳しいと言う現実が如実に出ていると言う事になる。

そしてFacebookが大きく関わる仮想通貨「Libra」に対しても、厳しい目を向けている事も判明している。何でもインドのサブハッシュ・チャンドラ・ガーグ経済局長官によると、「私的な仮想通貨になる恐れのあるLibraは、私達には無視できるようなものではない」と言う事なのだ。

Libraは現在25もの団体と提携パートナーを組んでおり、その中にはPayPalやVisa、Mastercardといった決済において一定以上の実績を収めているグループも含まれている。さらにLibraはその数を増やし100にする目標を立てており、Libraがインド政府と真っ向勝負になることも予想される。

Libraの躍進でインド内における仮想通貨の在り方は変わっていくのか?「仮想通貨の使用を禁止する法律はない」と発言した、インド政府の今後の行動が気になるところである。

参考:Inc42